あのミミズのオバケみたいなん結局なんやねん

>>8
あれが主人公と言っても過言ではない
ミミズは有機生物の起源とされる生物であり、生存本能による死にたくないという恐怖から”道”と呼ばれる死のない空間を作り出すに至った。
ミミズの目的は、ただ増えることである。
つまり始祖ユミルはミミズに寄生された時にミミズのただ増えるという生存本能に支配されてしまったわけ。

ユミルがフリッツ王を愛していたのではなく、ミミズが次世代に種を残すために、エレンに繋げるために、フリッツ王に尽くすことを選んだ。
フリッツ王を暗殺から庇ったのは、フリッツ王がユミルよりも先に死んだ場合、ユミルの子供達にユミルを食わせるという行為が行われず、ユミルの死によってミミズは生涯を終えることになるから。

ユミルはフリッツ王の奴隷として生き、ミミズに寄生されてからはミミズの奴隷としてフリッツ王に尽くし、フリッツ王の身代わりで死んでからもエレンに繋ぐため2000年もの間巨人を作り続けるという悲惨な人生だったわけだ。

つまりあのミミズが生まれた瞬間から次のミミズがエレンになることが確定していて、その繋ぎまでの道筋が進撃の巨人という物語。

>>8
ミミズの話からは逸れるけど、その中でユミルにとって唯一の救いもあって、それがミカサの存在なんよね。
ミミズに支配されたユミルはミミズの巨人の力で、未来の継承者まで見ることができたからエレンの記憶を見ることができた。
そしてエレンの記憶の中でミミズの本能に支配される前からの自身の欲求である愛されたいを叶える存在を見つける。
これが自身の子(次世代のムカデ)になるエレンのことを愛しているミカサに興味を持った理由。
自身と同じく新しい始祖となりミミズに支配されるエレンを自身の分身のように思って、そのエレンを心から愛してくれるミカサに救われたわけだね。
それが見えていたからこそ、その未来を迎えるためにユミルは決められた未来の通りに行動したとも言える。

ユミルがミカサと会った時に回想した、フリッツ王を庇わずに死なせて娘と抱き合ってた姿は本来ならそうしたかったという道の中で見ていた願望で、エレンがミカサと寿命を穏やかに過ごす未来、アルミンと外の世界を見て回る未来と同種の道の中の夢の描写というわけ。
ユミルもエレンもミミズの生存本能に支配されて本来選びたかった未来を選べなかったということなんだよね。作中においてこの2人だけが寄生虫によって狂っていたわけ。

結局エレンはミカサによって首を埋葬されたことによって、ミミズ2世として存在したままとなり最後に登場した少年にミミズのバトンを繋ぐことになるからエレンが救われるのはまた次の世代にお預けということになる。
ミカサがエレンを忘れることを選択していた場合エレンはまともに埋葬されず消し去られ、ミミズは消え去ってある意味エレンは永遠に近い支配からは救われたのかもしれないけれど、それはたらればの話であって、その場合ユミルは救われないし、そもそもああなることは最初から決まっていたよ。というある意味バッドエンドとも言える物語だったのである。